風薫る日の邂逅。
深い所に明かりが灯る。
昨日と今日の間に
相も変わらず、ミドリカワ書房が大好きなわけです。
昨夜「恍惚の人」のPVを観て、ちょっと涙ぐんだのはナイショ。
そんな時に覗き込まれたりすると、ボクはこんな顔をしてると思います。
溢れてる恋だの愛だのを書いた歌よりもずっと、彼の紡ぐ歌詞にギュッとハートを鷲づかみにされる気がするのはボクだけでしょうか。
夕暮れ過ぎの藍色と灯りの中に浮かぶ木のシルエットにグイグイと引き込まれます。
既に窯の火が落ちたのか、パンの焼ける香りは漂ってきません。
外から見える棚にも半斤の食パンが少しと、調理パンの数々が疎らに並ぶくらいです。
なぜだかバスチーユのパン屋を思い出しました。
あの品揃えの悪い、毎日「カフェオレ飲んできな」と誘ってくれたパン屋のスタッフたちは元気かなぁと。
オレの思う美味しそうな写真ってこういうことです。
豪奢に盛り付けられたディナーや可憐に彩られたスイーツよりも、皿に残ったソースや食器たちの方がより雄弁に味わいを語るように思えて仕方がないのです。
コチラの元チーズケーキはベリーソースがステキな逸品でした。
裏通りのカフェって好きです。
この時間のこの道はとても静かです。
通ったとしても、完全防備で夜釣りに向かうおっちゃんくらいなものです。
ラブホを探して車を回すカップルを眼下に、真っ暗な海へと足を伸ばすのはちょっと贅沢でしょうか。
15年ほど前、何かの打ち上げと称して深夜の海岸に集まった記憶が残っています。
寒い中流木や雑誌を燃やして暖を取っていたのは、この土地ならでは儀式にも思えます。
随分と離れたつもりでも、帰ってくる場所…なんでしょうかね。