当たり前のこと。
グラスを冷凍庫に入れる、マグカップをお湯で温める、包丁を研ぐ。
そういうことは当たり前のことだと思っていた。
ずっと当たり前にやってきたことだから、みんな当然のごとくそれをこなすものだと思っていた。
同居人として私生活を晒すようになって、それが必ずしも当たり前でないことを知った。
その頃から、客商売人としての血が、それを当たり前にしているのかなと思うことにした。
最近まで気づかなかったけど、ガキの馴れ合いのようなカフェやバーではそういう当たり前のことができていないことが多い。
常連は友達や先輩後輩ばかり、なぜ他にお客がつかないのかを考えられないのか、不思議でならない。
根本にある問題は、料理の味でも値段でもなく、ほんの少しの気遣いなんだって。
夏を迎えて新しいカフェやバーの乱立するこの地域特有の空気を感じながら、そんなことを考えた。
気づけなかった店たちは新しい看板を掲げ、新たな主とともに夏の訪れを待ち望んでいる。
来夏は今夏と同じ看板と主であるように祈りたい。
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