化ける

常に泣きそうな顔をしていた彼の顔は、自信に満ち溢れるものと変わっていました。
慣れない環境でテンパっている彼に、スタンダードではないカクテルをオーダーして困惑させたのは、ほぼ間違いなくオレでした。
彼は経験のなさをカバーするために、休日を利用したり店が跳ねてから朝までの短い時間で、そのメジャーになりえないカクテルを様々な店で飲みまくってくれたらしいです。
オレが毎回のように彼に告げていたのは、「次に来た時に不味かったら、この店2度と来ない」という最低最悪の脅し文句だったと記憶しています。
今になってはじめて、彼はそうやって色々なカクテルをかなり厳しく勉強させてくれたことが今の自信につながっていると言ってくれますが、当時の彼にしてみればとてもムチャなことを言う嫌な客だったろうなと思います。
これから先、こんな酷い客は出てこないでしょうけど、努力家の彼はますます成長していくんだろうなとひしひしと感じるものがあります。
すっかりクソガキからいい顔に化けてしまった彼のさらなる成長を、少し遠くからでも見守りたいのですわ。
だから料理を志すあの店のスタッフとしての彼へ、最初で最後の贈り物はグローバルのペティナイフにしました。
コイツを使いこなしてくれることは、そう遠くない将来だと信じています。

コメントはまだありません »

コメントを残す

sakura

桜

春の色。
参道に咲く華。
雨が上がれば季節が移る。

up

瓶の群れ

旧いアメリカンロック。
深い琥珀色をした苦い炭酸水。
自分を取り戻すために必要な時間。

JPN cat day

麦酒

乾杯
嬌声
猫の日の為に

gradation

掛かる月

また明日。
夕飯の香り。
落下する夜。

overpass

歩道橋

深夜零時の散歩道
風は藍色
夜の音は白

carved seal

灯り

刻みたい。
記憶に、気持ちに、感情に。
少しでも、自分の痕を。

蒼月

月を探すのが好き
青空に架かる昼の白い月も
凍てついた夜空に蒼く灯る月も

新年イヴ

カフェカウンター

乾杯。
去年と今年と来年の間に。
シンプルに、気まぐれに、ええかっこしいで。

硝子色の朝

カラフェの日本酒

いただきます。
ごちそうさま。
食卓の温度。

rain,night,tomorrow

雨の路面

雨音。
夜の声。
明日、晴れるかなぁ。

candles

箱の中の蝋燭


「自分らしく、したいことをすればいい」
それは実に無責任なアドバイスで、 Details »

stand

川

好みの立ち位置というのが誰しもあると思うのです。
2番手でいるのが良かったり、真ん中が心地よかったり、浮いてるか沈んでるかが良かったり、 Details »

yellow magic

キイロ

Eagle,Shark,Panther.
カレーが好き。
ヒーローの色はキイロ。

maybe rain

信号機

本を開く。
言葉を紡ぐ。
雨の日の為に。

cherry

櫻色

感謝と哀悼と。
生と死の交錯する日。
列に並ぶのはもう少し先。