それほど馴染みの薄いものではありません。
身近に感染、発症して死んでいったヤツもいます。
すっかり痩せ細った姿を見たときの戦慄は忘れられません。
免疫力の低下に伴う網膜炎感染で視力を失った目でオレの姿を探し、オレが我に返るまで空をつかむように動いていた指の1本1本を鮮明に思い浮かべることができます。
死と向き合いながら生き抜こうとしていた姿は、当時のオレにとって衝撃的で圧倒的でした。
殺されるのなんか怖くはないとカッコつけていたことが、ガキが夜中にひとりでションベンにいけると言っているのと大差ないものだと気がついて、自分のバカさ加減がイヤになりました。
生きる意志がそこにはありました。
死と対峙してなお乗り越えようという強い意志がそこにはありました。
恥ずかしながら、そういう場に直面して初めて「HIV感染≒死」という誤った考えを拭い去ることができたのです。
特殊な雰囲気の病気ではあるけど他の病気と大きな差異があるわけではない、そんな簡単なことに気づいていなかったのです。
今にして思うとホントに恥ずかしい考え方をしていましたね。
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