殺人者の人生は後悔しかない。
死を与えた魂は救われない、生きている間も死んだ後も。
自らをごまかすことは出来ても、偽ることは、許すことはできないのだから。
それでも笑っているヤツらはいる。
笑ってなきゃ後悔に押しつぶされてしまうから。
自分が不幸だなんて思うヤツは1人もいやしない。
自分が決めた道だとしっかりと前を向いて生きてるから。
ドス黒い感覚を忘れることが出来なくても、今の瞬間を幸せだと言い切れるから。
人生が幸せで過ごせないのなら、幾人もの命を奪ってまで生きている意味はない。
***
戦争反対。
なぜ反対するのか?
人を殺すのが嫌だから。
ナイフが2本、目の前には同年代のオトコ。
お互いにナイフを手に取り殺し合いをはじめる。
殺さなきゃ殺されるという恐怖感が殺し合いを容認し、殺人への恐怖は次第に薄まる。
やがて一方が他方を殺すという状況が生まれる。
それが突発的なものであれば幸せだろう。
殺したという事実が心に刻まれるだけなのだから。
ナイフが突き刺さり、肉を切り裂く感触がナイフを伝わり手を伝わり、相手が死んでいく感触を知るだけで済むのだから。
そこにある殺人への後悔と罪の意識なんて微々たる物だ。
突き刺したナイフが致命傷でない場合、相手の命乞いを聞くハメになる。
涙を流し、鼻水を垂らし、ただひたすらに助命を嘆願する相手を見るハメになる。
地位もプライドもかなぐり捨ててただ自分の命だけを救って欲しいと、必死の形相と熱意を持って頼み込む人間を見るハメになる。
それを断り、ナイフを刺す場所を変え深さを変え、死に追いやるっていうのがどれだけ黒い感情として自分の中に残るか考えてみて欲しい。
母の名を呼び、自分の名を呼び、神に救いを求める人間を殺すのが、それから先の人生にどれだけ暗い影を落とすのか少しだけ考えて欲しい。
それでも戦争に正義があると思いますか?
オレは望んで殺し合いの地に赴きたいとはもう2度と思いません。
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