肉体労働系のオヤジのあふれる定食屋でも、ネクタイ着用でなければ入れないようなレストランでも、食事を楽しめなければダメだと思います。
同じように食事するではなく、場所や他の客に合わせて話し方や立ち振る舞いも考えられなきゃ大人の楽しみ方とは言えないでしょう。
すべてを自然体で行い、それでいて周囲に気を遣うことができたら、きっとその人はとても美しい。
雑多な汚い店でチンピラじみたしゃべりと行動をし、気心の知れた仲間たちとだけ笑いあう。
そんな楽しみ方しか知らなかったオレの転機は、スーツ・ネクタイ着用でのフレンチレストラン。
あまり好きではないスーツに身を包み、慣れない言葉遣いで周囲のちょっといい暮らしをしてそうな坊ちゃん嬢ちゃんと話をするうちに、シンプルな答えが見えてきた。
無理をして自分を偽ればすぐにボロが出る。
かといって普段どおりで行動するのは失礼にあたる。
大切なのは場の雰囲気を読むこと。
その雰囲気で許される範囲内でなら自分を偽る必要などない。
自然体で楽しむというのはそういうこと。
初めてそれを感じてから5年超を数えて、オレ自身はサラリとそれができるのは間違いないですが、それをちゃんとやるかどうかは場の雰囲気と相手次第というのが、天邪鬼の本領発揮というトコでしょうかね。
ただ、頭の弱い学生の転がるチェーン居酒屋と、気取りすぎた勘違いカップルのあふれるバーには入ることすらためらわれるのはナイショ。

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久々にビョークのデビューアルバムを聴いてました。
ご存知の方も多いかと思いますが、彼女はソロ以前にいくつかバンドを結成してました。
中でもソロデビュー前の最後のバンドとなった「Sugur Cubes」は個人的にはツボのバンドだったわけです。
ヴォーカルはビョークだけじゃなくて、アイナーというもう1人の男性ヴォーカルを立てるというツインヴォーカルで、まったく異質な声を持つ2人の絡みが魅力的でした。
ファーストアルバムでは、画家とか詩人が集まったバンドということで勢いだけでぐいぐいと引き込まれる感触で、あっという間に惚れ込んだんですが、セカンド以降は個人的には聴くに堪えないバンドになってました。
魅力であった「変態的」な勢いが消え、パンクスに通じるものがなりを潜めてしまう。
2人のヴォーカルの質に格差が目立ち、魅力的だった絡みはビョークがアイナーを一方的に食う形に変わってしまう。
3枚のアルバムを残して「Sugur Cubes」が解散したときに正直なところホッとしました。
どんどん凄みを増すビョークに比べて、デビュー時と変わらないアイナーが痛々しくて、聴いていられなかったのです。
なんというのか成長は大切だけど、バンドという枠の中にいる以上均衡を保っていられないと、急成長を遂げる当人も、成長できない周囲も辛いものがあるんだなぁと感じました。
ビョーク聴いてたら、アイナーはどこに行っちゃったんだろうって思ったわけです。

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sakura

桜

春の色。
参道に咲く華。
雨が上がれば季節が移る。

up

瓶の群れ

旧いアメリカンロック。
深い琥珀色をした苦い炭酸水。
自分を取り戻すために必要な時間。

JPN cat day

麦酒

乾杯
嬌声
猫の日の為に

gradation

掛かる月

また明日。
夕飯の香り。
落下する夜。

overpass

歩道橋

深夜零時の散歩道
風は藍色
夜の音は白

carved seal

灯り

刻みたい。
記憶に、気持ちに、感情に。
少しでも、自分の痕を。

蒼月

月を探すのが好き
青空に架かる昼の白い月も
凍てついた夜空に蒼く灯る月も

新年イヴ

カフェカウンター

乾杯。
去年と今年と来年の間に。
シンプルに、気まぐれに、ええかっこしいで。

硝子色の朝

カラフェの日本酒

いただきます。
ごちそうさま。
食卓の温度。

rain,night,tomorrow

雨の路面

雨音。
夜の声。
明日、晴れるかなぁ。

candles

箱の中の蝋燭


「自分らしく、したいことをすればいい」
それは実に無責任なアドバイスで、 Details »

stand

川

好みの立ち位置というのが誰しもあると思うのです。
2番手でいるのが良かったり、真ん中が心地よかったり、浮いてるか沈んでるかが良かったり、 Details »

yellow magic

キイロ

Eagle,Shark,Panther.
カレーが好き。
ヒーローの色はキイロ。

maybe rain

信号機

本を開く。
言葉を紡ぐ。
雨の日の為に。

cherry

櫻色

感謝と哀悼と。
生と死の交錯する日。
列に並ぶのはもう少し先。