揺れる携帯。
夜中にかかってくる電話。
夜かかってくる電話はキライだった。
顔の見えない相手と話すのは苦手だし、何より眠りを妨げられるのがキライだった。
でも液晶部分に浮かぶ番号を見て、思わず口元が緩む。
不思議な気持ちがあるもんだなと思う。
こんな気持ちになる相手とはそれまで出会えずにいたから。
酔って自分の気持ちを包み隠さずにぶつけてくる彼女の声が好きだった。
「オレはこの娘にべた惚れなんだな」と彼女の言葉を笑って受け流しながら思ってた。
今すぐにでも抱きしめて、そして彼女があきれるくらいに何度も唇を重ねたいって。
これから先もずっとその気持ちは変わらないだろうって、受話器越しに彼女の声を聴く度に思う。
だからキスしよう、愛してる。
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