沸々と煮えるような感覚が手指と首筋に広がって、年に1度か2度の発熱の来訪を告げました。
最初に悪寒というのが実感できる、あのガチガチと歯を震わせる寒気がやってきて、次いで筋肉の軋むような痛みが追いかけてきます。
数年来の付き合いの中で随分と冷静に見られるようになりましたが、初めて高熱に陥った時から2年ほどは、「ヤバイかも」と弱音を吐いてみたり、どうしようもない熱さに暴れてみたりと、それこそ新生児さながらでした。
さて、高熱に陥ると見えないはずのものが見えるようになります。
いわゆる幻覚というヤツなのですが、随分とハッキリとした形で視覚や聴覚を捉えてくるのですからタチが悪いです。
ただ、年に1度くらいの幻覚を媒介にするにしても、忘れずにいることはありがたいものです。
自身の足跡と、自身の記憶と、自身の夢。
忘れてしまってはあまりに寂しいものばかりですから。
RSS feed for comments on this post. / TrackBack URI