「いいおんな」という店

テリーヌをオーダーし、シラーと共に舌鼓を打つ。
周囲は小奇麗な印象のあるカップルか女性2人連れで、喧騒とは無縁の店にふさわしい。
汚い不良中年予備軍は目を引くらしく視線を投げられるが、こちらとしては特に意識するものでもない。

甲斐甲斐しく動く奥様に控えめな会釈をしながら、豪快な口調で繊細な調理をするマスターの姿を眺めてみる。
オレが背伸びすることしか出来なかった時代から、同じ味と雰囲気を頑なに守ってきた彼らは尊敬に値するし、その守ってきたものが好きだからこそオレは1人になった今も足を向けるのだと思う。
上へ上へ前へ前へと変化し続けるよりも、そこに在り続けることの方がずっと難しい。
オレには真似の出来ないことだから、その様にオレは安心感を求めるのだろうなと。

デセールの甘さも、珈琲の苦味も。
10代の頃と何も変わりゃしない。
変わったのはオレだけ。

そうオレだけ。

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sakura

桜

春の色。
参道に咲く華。
雨が上がれば季節が移る。

up

瓶の群れ

旧いアメリカンロック。
深い琥珀色をした苦い炭酸水。
自分を取り戻すために必要な時間。

JPN cat day

麦酒

乾杯
嬌声
猫の日の為に

gradation

掛かる月

また明日。
夕飯の香り。
落下する夜。

overpass

歩道橋

深夜零時の散歩道
風は藍色
夜の音は白

carved seal

灯り

刻みたい。
記憶に、気持ちに、感情に。
少しでも、自分の痕を。

蒼月

月を探すのが好き
青空に架かる昼の白い月も
凍てついた夜空に蒼く灯る月も

新年イヴ

カフェカウンター

乾杯。
去年と今年と来年の間に。
シンプルに、気まぐれに、ええかっこしいで。

硝子色の朝

カラフェの日本酒

いただきます。
ごちそうさま。
食卓の温度。

rain,night,tomorrow

雨の路面

雨音。
夜の声。
明日、晴れるかなぁ。

candles

箱の中の蝋燭


「自分らしく、したいことをすればいい」
それは実に無責任なアドバイスで、 Details »

stand

川

好みの立ち位置というのが誰しもあると思うのです。
2番手でいるのが良かったり、真ん中が心地よかったり、浮いてるか沈んでるかが良かったり、 Details »

yellow magic

キイロ

Eagle,Shark,Panther.
カレーが好き。
ヒーローの色はキイロ。

maybe rain

信号機

本を開く。
言葉を紡ぐ。
雨の日の為に。

cherry

櫻色

感謝と哀悼と。
生と死の交錯する日。
列に並ぶのはもう少し先。