6年前の冬、彼の地で見た雪。
ACOの揺れる体温を聴きながら空港に駆け込み、長いフライトをウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズを観ながらまったりと楽しんだ。
雪で到着の遅れた空港で早口のフランス語に捲くし立てられながらした乗り継ぎ。
日本とは比べものにならない背筋も凍るような冷たい空気の中、国籍や年齢性別など関係なく一様に疲れた顔の旅行客たち。
降り続く細雪を顔に受けて、ふと空を見上げると空港特有のあの照明に照らされた雪が橙色に輝いて、あたかも宝石を打ち砕いたかのようだった。
寒さで肋骨に疼痛が顔を出す頃、オレは決まってその光景を思い出す。
いつか戻ると誓った土地を思い出す。
あの雪を忘れない。
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