オモチャ箱をぶちまけたようなあの街。
みなとかこ野毛と、MM21に倣って名づけていたのは姉貴だったと思う。
昼の仕事に就き、紅葉坂の近くの営業所に配属され、焼酎の飲み方を教わったのは野毛の音楽通りのステキな居酒屋だった。
何人か頭数が集まるとふらりと繰り出しては、ビールで乾杯した後、誰ともなくキープしてある焼酎のボトルを空け、手羽餃子を〆に食べるのが定番だった。
異動になって都内勤務になった後も、上司と2人で帰り道から少し外れた桜木町に寄っては、気の置けないメンツとこんな飲み会を繰り返していた。
そんな宴が断ち切られたのはもう2年と少し前になる。
突然の彼の死は衝撃的で、いつしか野毛から足が遠のいていた。
彼の死の直後に水商売関係の人間と紅葉坂で早朝の花見をした時、前々年の春に営業所のメンツで花見をしたのを思い出して自然と涙がこぼれたのを覚えている。
オレはあのゴチャゴチャとした垢抜けない街を愛してる。
彼の街を愛した人たちを愛している。
いつの日にか、笑って焼酎を酌み交わせる日を願ってる。
いい年したバカな大人が雁首そろえて夜明けまで。
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