フォトゼロ

守るにも愛でるにも向いてない。
だからこそ、その凛として咲き誇る姿に惹かれる。

脳に憑いた色・香り・音。
反芻する、西の都の邂逅。

ステキな感性にホッとする。
のんびりのんびり。

泡のキャンバス。
刹那の絵。

右と左と。陰と陽と。
どちらの顔が素なのか分からなくなる。
どちらの顔も素だと笑われたのは雨の日の夜。

あの日の味を求めて帰る店。
重い木戸は幼い日の記憶。

サーフロックとボルゾイとハニーチキン。
海風の香るそんな昼下がり。

その場で紡がれる言葉は、会話のそれ。
推敲された文章のそれよりも、直感的で心を抉り出す。

オレに救いを見出すのは、自分の力で進める人だけ。
オレは手を差し出しても、決して掴んだ手を引き上げたりはしない。
オレを引き摺り落そうとするならそれもまた興がある。
きっかけを見せても、それをモノにできるかどうか、どうモノにするかは当人次第でいい。

腹を据えなきゃ何も出来ない。
それをしない人の多さに切なくなる。

覚悟のないままに生きられるのはなぜ？

酔い覚めの水。
聞こえる嬌声はどこか遠くのこと。

風を受ける喜び。
幼い日のそれと重ねてみる。

動きの止まるその日のために。
刻む傷と錆は名誉の証。

生まれ故郷の話を聞く。
そこにはオレの知らない貴方がいる。

閉じておけるうちは閉じておきます。
抑える術は知っていますから。
感触を、感覚を、感情を。