被害と加害

お互いに感じるものがあります。
被害者への謝罪の念、加害者への憎悪の念、やり遂げた充足感、やってしまった後悔、やられた憤怒、やり返そうとする復讐心…。
それらを知らない者よりは知っている者の方が、その言葉や行動により重みを増すものです。
そして、知っている者は知らない者よりも、より強く呪縛に捕らわれやすくなるものです。
視点を増やしたり、視界を広げるには、被害も加害も役に立つといえるのかもしれません。
ただ、それは非常に強い痛みと大きな傷を伴うものだということを忘れてはいけないと思います。
言うなれば開かない目を開くために、まぶたを引きちぎるようなものだということを忘れてはいけないと思います。
様々な面で被害者と加害者を経験して視界は広がりましたけど、それに伴って負うことになった傷は得たものよりも少しばかり大きかったように思うのです。
見なくて済むこと、感じなくて済むもの、そういったものは確実に存在すると思うのです。

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white

サクラ

国替えの日。
そこから十数年。
ボクはまだ此処に居る。

blue

蒼い屋根

春の夜。
落下する蒼。
満ちてくる静寂。

梅の香り

春の匂い。
冷たい風。
夕闇の温度。

葡萄酒の日

白葡萄酒

グラスの音。
いつもの音楽。
自分を取り戻す時間。

夕焼けの川

夕焼けの川

冷えた風。
夕闇の少し前。
夜はすぐ其処に。

#8

八重桜

間違えないように
焦らないように
あっという間に過去になる

toast

火酒

乾杯の温度。
10年分の遠回り。
グラスの中で鳴る氷。

a standard

チーズケーキと紅茶

定番。
年を経て研ぎ澄まされる。
懐古であり最新であるもの。

noise

雑音

浮き沈み。
雑念。
不調和の先の融和。

torch

蝋燭

「当たり前を当たり前に
 努力ってそういうもの」
そう言って、彼は笑った。 Details »

only lonely

鏡の中

鏡に弾かれる
刹那
独りだと知る

crossroad

交差点

Where is here.
Have I lost my way?
Time is over. Details »

day tripper

シーリングファン

たまに旅に出たくなる。
出来れば干渉されない場所に。
のんびりと、のんびりと。 Details »

bury

星

稀に記憶力の良さに驚かれる。
不足するがゆえの副産物かも知れない。
でも、そうではないと思ってる。 Details »

wall

バックヤード

5本目のボトルが壁に加わった。
グラスを重ねても酔いはまだこない。
真冬らしい寒さのせいだろうか。 Details »