いつからか見えるようになってた。
クスリあるいはシンナーをやっているヤツ、やめようと努力しているヤツ、やめてしばらく経ったヤツ。
世間的にはすべて同じに映るのは知っている。
オレも見えるようになるまでは、すべて同じように見えていたから。
肌で感じられるようになったのは、自ら進んでその輪に入ろうと試みたから。
排他することで自分たちも拒絶されていることに気づけないヤツには、その世界は見えてこない。
異国人の顔が同じに見えるというやつと同じ。
オレは偏見を捨てろとは言わない、オレにも捨てられない偏見はあるから。
ただ、偏見を捨てないことで、見えなくなってしまうものがあるってことを忘れないでいて欲しい。
コンビニでバイトする女の子の舌っ足らずのしゃべり方を、昔の友人のそれに重ねてふと懐かしいような寂しいような感覚がした。
彼女を雇っている店長の器と優しく見守ってる先輩バイトの目に涙が出そうになった。
「ありがと」
つり銭を渡された時にオレが発したその言葉に、にこりと笑った彼女の唇を素直に可愛いと思った。
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