フォトゼロ

No.10。
金冠の獅子。
転機を示す輪。

気怠い暖房。
暖かいお茶。
色のない夢を見る。

反芻する言葉。
キャロルの季節に。
大したことじゃないけど。

嬌声は遠く。
雑踏は遠く。
降誕祭の温度。

暗い空にしがみつく星座。
片手には缶珈琲。
星の名前を思い出す。

I’m free to be whatever I
Whatever I choose
And I’ll sing the blues if I want

ノエルの足音。
肌を刺す風の温度。
キャロルの聴こえ始める頃。

いつもと同じなら。
やり方は人それぞれ。
自分なりのそれを選べばいいだけ。

冬の匂いのする夕焼け。
色の変わる灯りを見上げる。
明日はきっと晴れる。

消えていく温度。
今はなき人たちの残り香。
今宵は良い歌を聴きたい。

壁に描かれる絵。
幼い頃のそれはスプレーで。
オトナになったそれは光の色で。

夕暮れ。
童謡の流れる時間。
お家に帰ろう。

輝きの色と。
輝きの温度と。
キラキラヒカル。

何も変わらず。
胸の熱さはそのままに。
幼い日に見上げたのと同じ。

嬌声と乾杯と。
遠回りの途中。
紡ぐのは記憶。