声を出すことを売り物に生きている人を知っています。
声を出さないことを売り物に生きている人を知っています。
歌う仕事も声で酔わせる仕事も体験したことはありませんけど、声を出さない仕事には関わったことがあります。
それがいかに不自由で、表現の幅を狭められることかよく知っています。
言葉に出せば一瞬で伝わるもの、言葉でしか伝わらないはずのもの、…そういったものを表情で示さなければならないってことは、想像以上に難しいです。
彼女・彼らは、仕事が跳ねたら一様によくしゃべります。
抑圧のせいなのかどうかは分かりませんけど、他人の何倍も楽しげに語ります。
顔や体つきに似合わない声や話し方の持ち主も多いですけど、オレはそのギャップを楽しみます。
オレは随分前に彼らとは歩む道を分かちましたけど、完璧を求める視聴者サイドに立つ気はないので、友達として仲間としてその個性を愛しています。
同一ブランドで身を固める種類の人に、その個性を理解することは難しいかもしれません。
オレは一ヶ所でも歪みがあってこそ、他の部分により大きな魅力が感じられると思うのです。
オレは傷や歪みを誇ります。

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タンドールの隣りから

タンドールの隣りから

異国の麦酒。
昼下がりの香辛料。
15年分の遠回りを。

藁の上の箱

藁の上の箱

不思議の箱。
隠されている何か。
茸、星、それとも不思議な花?

spiral

螺旋

螺旋。
遠心力。
巻き込みの力。

イロトリドリ

イロトリドリ

溢れる色。
流れる時間。
紡ぐのは記憶。

Secret Window

秘密の窓

秘密の窓。
部屋に広がる宇宙。
見てはいけない部屋。

碧珠

碧色

法皇の緑。
糸の結界。
幼い日のヒーロー。

月の舟

月の舟。
降りてくる空。
風の抜ける夜。

milkyway

milkyway

幼い日を思い出す。
揺れて眠れない寝台車。
子守唄は線路の鳴る音。

夜中の交差点

夜中の交差点

深夜の散歩道。
傍らには尻尾の生えた友達。
「月はどっちに出ている?」

川面

川面

川沿いの道。
風の抜ける温度。
夏の終わり。

蝉時雨

鉄塔

鉄塔。
風鈴。
夏の終わり。

イツモノ

いつものカウンター

いつもの会話。
いつもの温度。
いつものカウンター。

冷珈琲

冷珈琲

夏の清涼剤。
ミルクもシュガーも要らない。
足すのは氷の鳴る音だけ。

孤高

孤高

夜の主。
孤高の視線。
気高くしなやかに。

境界

境界

夜の音。
隔てる塀。
幼い頃は塀の向こう。